水は生命の源
人の体の70%は水で出来ていると言われます。私達が生きていく上で必要不可欠なものです。生命を維持するための飲み水だけでなく、歯磨きや洗顔、料理、トイレ等、あらゆる場面で私達は水を利用しています。家庭で使われる水の他、学校やレストラン、店舗、事業所等、街を維持するためにも水が使われています。
農業
水は農作物にもなります。雨が降らないと植物は育ちません。気候変動によって、これまで雨が降っていた地域に、雨が降らなくなることがあります。
砂漠化
雨が少なくて土地が乾燥すると、植物が育たない・育ちにくい砂漠になってしまうかもしれません。
災害
雨として大量の水をもたらす台風は、災害をもたらすこともあります。台風による豪雨で河川の堤防が決壊すると、大きな被害となります。
様々な課題
水資源に関して、国連から様々な課題が報告されています。
• 安全に管理された飲料水サービスを受けられない人々は、21億人に上ります(WHO/UNICEF, 2017)。
• 安全に管理された衛生サービスを受けられない人々は、45億人に上ります(WHO/UNICEF, 2017)。
• 毎年、5歳未満の子ども34万人が下痢症で死亡しています(WHO/UNICEF, 2015)。
• 水不足はすでに、世界人口の10人に4人に影響を与えています(WHO)。
• 自然災害全体の90%は、水に関連するものです(UNISDR)。
• 下水の80%は、処理も再利用もされずに、生態系に垂れ流されています(UNESCO, 2017)。
• 全世界で国境を越えて流れる川のうち約3分の2には、共同管理の枠組みがありません(SIWI)。
• 農業は全世界の取水量の70%を占めています(FAO)。
• 工業用水の取水量のおよそ75%は、エネルギー生産に用いられています(UNESCO, 2014)。
水に関わる取り組み
日本において、安定的に水を利用するために、多くの取り組みがなされています。
農業用水
農業用水は、自然界の水循環と融合しムダなく利用されています。上流で取水された農業用水は使用後、大部分が河川や地下水に還元され、下流で再び農業用水や都市水などに利用されます。雨が降らない時に備えて、水路を整備しています。
渇水時には、農家の人は番水(節水のための配水管理)、水路の見回り、地区内の反復利用などを強化します。また、地区内の利用者が協力してダム、ため池、井戸などの水源を融通し、調整を図ります。
水道
豊臣秀吉の小田原攻めの後、徳川家康は、江戸を関東支配の本拠地と定め1590年頃入国しました。江戸の町に住む人々の生活用水を確保することが重要であると考えた家康は、江戸入国に当たって、家臣の大久保藤五郎に上水をつくるように命じ、藤五郎は小石川上水を造ったと言われています。小石川上水の水源や配水方法、経路等について具体的なことは分かっていないとのことです。
東京都は、100年余りにわたり増加し続ける水道需要を支えてきています。東京都の水源は、ほとんどが河川水で、80パーセントが利根川及び荒川水系、17パーセントが多摩川水系になります。
東京の水道水ができるまで
東京水道名所
海水淡水化
海水から水をつくる仕組みがあります(東レ)
世界には、海はあっても、水に恵まれない国々がたくさんあります。地球の70%以上を占める海水から飲料水を造り出す、東レの海水淡水化技術があります。海水を蒸発させて塩分を取り除く蒸発法は、大量のエネルギーを消費してしまい、環境破壊の原因になります。海水淡水化装置は、海水を蒸発させず塩素イオンを除去できる逆浸透膜を用いることで比較的低エネルギーで淡水化を実現できます。
分散型水システム
水道のない場所に手洗い場を作り、水問題の解決を目指す取り組みがあります(WOTA)
日本はこれまで、ダム、水処理施設、上下水道から構成される大規模集中型のインフラを整備してきました。上下水道や水処理施設を整備するためには、長い期間と莫大な資金が必要である他、維持管理のために毎年多額の費用が発生しています。集中型の上下水道に、WOTAのような自律分散型水システムを組み合わせることで、維持管理の費用を減らしていくことが期待されます。
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