文化の振興と地域活性化
日本には様々な伝統文化があります。文化庁が行った令和2年の調査では、日本全国18以上の3,000人に行った調査の一部抜粋は次のようになっています。
地域の文化的環境
「伝統的な祭りや歴史的な建物などの存在が、その地域の人々にとって地域への愛着や誇りとなる」 との考えを支持する人は 79.6%と前回よりも増えており、意識が高まっている。
一方、住んでいる地域の文化的環境の満足度は前回より増えたものの 36.4%にとどまる。文化的環境の充実には「ホール・劇場、美術館・博物館などの文化施設の充実」(26.6%)、「子どもが文化芸術に親しむ機会の充実」(26.2%)、「地域の芸能や祭りなどの形状・保存」(22.3%)などが必要と考えられている。
文化芸術の振興と効果
文化芸術の振興を図ることによりもたらされる効果に期待することは「地域社会・経済の活性化」(49.3%)、「子どもの心豊かな成長」(37.6%)、「人々が生きる楽しみを見出せる」(34.9%)こと が挙げられている。
子どもが心豊かに成長し、人々が生きる楽しみを見出せる、地域社会や経済の活性化に寄与することが、文化振興への主な期待となっています。心を豊かにするという観点は、文化振興の重要なポイントなのではないでしょうか。
伝統的工芸品
伝統文化については、祭りや歴史的な建物などを想起されるかと思いますが、ここでは、日常生活に根差した伝統文化として、工芸品についてご紹介します。
「伝統的工芸品」は、次の5つの要件に該当する工芸品を指します。
主として日常生活の用に供されるものであること
その製造過程の主要部分が手工業的であること
伝統的な技術又は技法により製造されるものであること
伝統的に使用されてきた原材料が主たる原材料として用いられ、製造されるものであること
一定の地域において少なくない数の者がその製造を行い、又はその製造に従事しているものであること
伝統的とは約100年間以上の継続を意味します。工芸品の技術、技法は、100年間以上、多くの作り手の試行錯誤や改良を経て確立するものと考えられています。
また、一定の地域で、ある程度の規模(10企業以上または30人以上)の製造者があり、地域産業として成立していることが必要です。
伝統技術による手作りの品を普段使いする、これは日常生活を豊かにすると共に心を豊かにする一つの方法なのではないでしょうか。
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