top of page
  • CSECI

バーチャルウォーターとウォーターフットプリント

バーチャルウォーター

バーチャルウォーターとは、輸入している食料を仮に生産するとしたら、どの程度の水が必要かを推定したものです。例えば、1kg のトウモロコシを生産するには、灌漑用水として1,800 リットルの水が必要と言われています。牛はこうした穀物をエサとして大量に消費しながら育つため、牛肉1kg を生産するには、水15t(トン)以上の水が必要となります。

輸入国は、海外から食料を輸入することによって、その生産に必要な分だけ自国の水を使わないで済んでいるのです。つまり、食料の輸入は、形を変えて水を輸入していることと考えることができます。





環境省のページから、様々な農産物に対してバーチャルウォーターを計算出来るようになっています。

https://www.env.go.jp/water/virtual_water/kyouzai.html

同じく環境省のページに「ザ・水問答」というクイズがありますのでこちらも参考まで。 https://www.env.go.jp/water/virtual_water/quiz_q.html



ウォーターフットプリント

ウォーターフットプリントは、水利用に関する潜在的な環境影響を、原材料の栽培・生産、製造・加工、輸送・流通、消費、廃棄・リサイクルまでのライフサイクル全体で定量的に評価する手法です。どこの水を使っているものか、についても考慮されています。

バーチャルウォーターとウォーターフットプリントの違う点は、その水がどこから来ているのかについては、バーチャルウォーターでは考慮されていません。


ウォーターフットプリントの品目比較から、ハンバーガー1個をつくるためには水が約2400ℓ必要となります。つまり、食べ残すなどでハンバーガーを1個捨ててしまった場合には、2400ℓの水を無駄にしていると言うこともできます。



日本は食料自給率が低く、海外からの食料の輸入に頼っています。つまり間接的に水を大量に輸入しており、海外の水不足問題は他人事ではありません。

アメリカやオーストラリアは、日本の牛肉の輸入先です。オーストラリアでは乾燥化が進んでおり、これが農業に大きな影響を及ぼしています。乾燥化が進むことによって森林火災が起き、それにより更に乾燥化が進行するという悪循環が引き起こされます。

ウォーターフットプリント、バーチャルウォーターの考え方から、水の問題は世界の気候変動や食料問題とも関連していることがわかります。食料を無駄にしないよう心掛けると共に、どこでどのように栽培された食材なのかを確認することが重要です。


ウォーターフットプリントの品目比較にあるように、牛や豚などの畜産物を生産するためには、穀物や野菜よりも多くの水を使います。肉を中心とした食生活を見直していくことで、生活に必要な水の量を減らすことが可能です。また、世界的な水不足に対しては、地産地消が重要となります。食料の輸入を行うことは、水消費と水不足のリスクを他国に押し付けてしまっています。

今後社会を持続させていく観点からは、食生活や食習慣を見直したり、水不足のリスクを自国で負担することで水資源の限界を常に身近に感じておくことが必要になるのではないでしょうか。

閲覧数:114回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Comments


bottom of page